二番目の悪者

二番目の悪者
著:林 木林


装丁やイラストが素敵で、期待ワクワクで読んだ。
が、内容が説教くさくて苦手であった。。。

小学生向けの絵本や児童書で、そこに教訓を入れるにしても、それが直接的過ぎる。

ストーリー的には、「自分が一番」と思っているワガママなライオンが、王様になるために心の優しいライオンの悪口を流し、国の動物たちがそれを信じてしまったためにワガママなライオンが王様に選ばれ、国が自滅する、というもの。

これはワガママなライオンが悪かったのか?
噂を自分の目で確かめず、責任転嫁をしていた国民ではないか?
という教訓。

傍観が罪である、というテーマはとても良い。
だったら、この國の滅亡をもっと客観的に描いて欲しかった。
要所要所に説教くさい一言が挟まっていて、途中から読む気が失せてしまった。


これは全く私の主観だけれど、日本で作られる絵本は説教くさいものが多い。
直接的に、言わなくていいことまで言ってしまう。

私の好きなクリス・ホートンの絵本だったり、それこそおさるのジョージだったり、ペネロペだったり。
悪いことをして、本人が困って、やめておけばよかったと後悔して、ちょっぴり毒のあるユーモアで最後を締める。

そうすると、笑いながら、ちょっとほろりとしながら、ハラハラしながら教訓を感じることができる。

それがひとつの絵本の役割ではないだろうか。