ずっとお城で暮らしてる

ずっとお城で暮らしてる 著:シャーリィ・ジャクスン 本屋さんで見かけ、タイトルと装丁に惹かれて。 久々に「他の作品も読みたい!」と思う作家さんだった。 やはりどうしてもアメリカ文学が好きらしい。 ストーリーは、一家惨殺が起こった屋敷で暮らす姉妹…

格闘する者に⚪︎

格闘する者に⚪︎ 著:三浦しをん 大好きな三浦さんのデビュー作。 自身の就職活動をベースに描かれた物語で、同じく出版社を受けた身としては面白かった。 各出版社の雰囲気だったり、退廃的な大学生の様子だったり、現実的でもあり、空想的でもある感じが良…

こいぬとこねこのおかしな話

こいぬとこねこのおかしな話 著:ヨゼフ・チャペック 作者が、劇作家のカレル・チャペックのお兄さんとは!読み始めてから知った。 チェコの子どもたちの定番のような児童書とのことで、こいぬとこねこが人間の世界でユーモラスに暮らすようすを描いている。…

シャクルトンの大漂流

シャクルトンの大漂流 著:ウィリアム・グリル 大判の絵本。 北欧っぽい色鉛筆で描かれたタッチが優しく、色合いも綺麗で素敵。 内容は、20世紀初頭に南極横断に挑んだシャクルトンたちの物語。 結果を言ってしまえば、南極横断は失敗する。 でも南極大陸で…

東京藝大物語

東京藝大物語著:茂木健一郎東京藝術大学で5年間非常勤講師を勤めた茂木氏による、フィクションでありノンフィクションである小説。東京藝大のユニークな学生たちや、アートへの向き合い方、困難な入試、社会に飛び立つ前の卒業制作。登場人物が実在するかど…

二番目の悪者

二番目の悪者著:林 木林装丁やイラストが素敵で、期待ワクワクで読んだ。が、内容が説教くさくて苦手であった。。。小学生向けの絵本や児童書で、そこに教訓を入れるにしても、それが直接的過ぎる。ストーリー的には、「自分が一番」と思っているワガママな…

色彩の息子

色彩の息子 著:山田詠美 色にまつわる12編の短編集。 素敵なコンセプトだったけど、ストーリー的にはそこまで好みではなかった。 基本的に男女の少しドロドロとした展開が多くて、エロティックな描写が多い。 山田さんの、直接的ではないのに”そう”としか感…

あのね 子どものつぶやき

あのね 子どものつぶやき 編:朝日新聞出版 朝日新聞生活面のコラムに掲載された子どものつぶやきを集めた1冊。 本当に一言ずつなので、一気に読んでしまった。 クスッと笑えるものだったり、ちょっと辛辣だったり、 その考え方はなかった!と思うものだっ…

グリーンピースの秘密

グリーンピースの秘密 著:小川糸 作家の小川糸さんのベルリンでの生活日記。 本当に個人的な日記のようで、日常のこと、その日の気分が脈略もなくつらつらと書かれていて、面白い。 小川さんは料理が好きとのことで、料理や食材の描写が素敵。 そしてやはり…

知られざる皇室外交

知られざる皇室外交 著:西川恵 これも好きなブロガーさんが読んだと聞いて。 私は皇室に対して、とても大きな思い入れがある訳ではない。 それでも昔、小学生の時のとあるイベントで皇后さまをお見かけした際は、その柔らかな物腰の中にある、樫の木のよう…

わたしたちは銀のフォークと薬を手にして

わたしたちは銀のフォークと薬を手にして 著:島本理生 グルメが描かれる小説が好きで、思わず手に取った1冊。 でも食事の描写というより、食事を取り巻く人間模様が描かれていて、とても良かった。 一緒に何を食べる関係性なのか、どんな時に何を食べたくな…

一寸先の闇

一寸先の闇 澤村伊智 怪談掌編集 著:澤村伊智 SNSで見かけて気になった一冊。 ちょっと不気味なショートストーリーが詰まった本だった。 澤村さんの作品は「ホラーエンタテインメント」と評されているようで、どれもサクッと読めた。 (小学生向けに発行さ…

たゆたえども沈まず

たゆたえども沈まず 著:原田マハ 久々に原田さんの本。 ゴッホとその弟テオ、そして実在した日本人画商・林忠正と架空の人物・加納重吉の物語。 大筋がフィクションながらも、背景は歴史に忠実に基づいているため、まるで「事実」のように読めるし、ゴッホ…

プリンセスメゾン

プリンセスメゾン 著:池辺 葵 前からアプリでチラッと読んだことのあった漫画。 完結していたので、改めてじっくり読んでみた。 池辺さんの漫画は独特の空気が流れていて、読むと違う世界に引き込まれるよう。 セリフは極端に少ないし、背景の描き込みもそ…

ドリームーNASAを支えた名もなき計算手たちー

ドリームーNASAを支えた名もなき計算手たちー 著:マーゴット・リー・シェタリー NASAを、そしてアポロ計画を支えた「黒人女性計算手」たちの物語。 主人公はひとりではなく、当時の人種差別や女性軽視を戦った多くの女性がメイン。 とにかく読むのに時間が…

できない相談

できない相談 著:森 絵都 日常の何でもない、でもちょっと許せないことを集めたショートショート集。 リアルすぎて、森さんの実体験では?と思ってしまう。 ほぼ2〜3ページで完結するような短い話の中に、教訓も感動も何もないけれど、クスッと笑えるものが…

べつに怒ってない

べつに怒ってない 著:武田砂鉄 私の好きなラジオのパーソナリティーであり、ライターの武田砂鉄さんの本。 割とラジオを欠かさず聞いているのに、本を読んだことがなかった、と思って手に取ってみた。 武田さんのラジオが心地いいのは、元編集者だからか、…

からだの美

からだの美 著:小川洋子 さまざまな「からだ」についてのエッセイ集。 一編が短くて、1時間もかからずに読破。 あっさりとしつつ、でも一つひとつにしっとりした重さがあるエッセイだった。 私にとって思い入れのある人物もたくさん登場。 『レ・ミゼラブル…

人間以前

人間以前 フィリップ・K・ディック 気になっていた短編集2冊目。 今回の本はSFというより、モダン・ファンタジーの部類が多いようだった(そんなジャンルがあるとは、初めて知った)。 SFとは雰囲気が全く異なるので戸惑いがあったが、好きな作品もあった。…

バレエ伴奏者の歴史ー19世紀パリ・オペラ座と現代、舞台裏で働く人々ー

バレエ伴奏者の歴史ー19世紀パリ・オペラ座と現代、舞台裏で働く人々ー 著:永井玉藻 発売されてから読みたいと思っていた本! 私が長年通っていたバレエ教室は幸運なことに、幼児のクラスから生ピアノのレッスンだったため、バレエピアニストさんは身近な存…

トータル・リコール

トータル・リコール 著:フィリップ・K・ディック 久々のSF小説。 案外、SFって好きなのかも、と思う今日この頃。 想像上の国や機械や生物が、どれだけ自然に出てくるかという部分も興味深い。 今回初めてSFの短編集を読んだけれども、短い中でもそれぞれの…

ブルックリン・フォーリーズ

ブルックリン・フォーリーズ 著:ポール・オースター 久々のポール・オースター。 人生を諦めかけた60歳の主人公が、さまざまな人との出会いによって環境や考え方に変化が生まれていくストーリー。 ポール・オースターは純文学的な扱いをされるけれど、この…

トラウマ文学館

トラウマ文学館 編:頭木弘樹 以前「絶望図書館」を読んで、自分では選ばない作品に出会えたので、同じ編者のこちらの本を。 最初に収録されている「はじめての家族旅行」は、こんな漫画が昔の『りぼん』に載っていたのか!?という衝撃。 子どもの頃にこれ…

あつあつを召し上がれ

あつあつを召し上がれ 著:小川 糸 食事をめぐる短編集。 同じ作者だし、「食事」というテーマがあるし、似たような作品が多いのかな?と思った私が甘かった。 7作品ともテイストが全然違って、アンソロジーを読んでいる気分だった。 でも全体を通して、食事…

掌に眠る舞台

掌に眠る舞台 著:小川洋子 大好きな小川洋子さんの本を久々に。 装丁も美しくて、読む前からワクワクしてしまった。 一番好きだったのは装丁のモチーフにもなっている「指紋のついた羽」。 バレエの「ラ・シルフィード」がテーマで、俗世と想像の世界の間を…

絶望図書館

絶望図書館 編:頭木弘樹 絶望した気持ちに寄り添うアンソロジー。 絶望したときは希望のある物語ではなく、さらに絶望するような物語を読む、という荒療治(笑) でも悲しいときは泣いた方がスッキリするのと同様か。 <収録作品> 第1閲覧室「人がこわい…

アーモンド

アーモンド 著:ソン・ウォンピョン 以前から気になっていたものの、なかなか手にとる機会がなかった1冊。 今でも覚えているのは、一人で代官山のTSUTAYAをウロウロしていた時に面だしされていたこと。 独特な雰囲気を持つ表紙だったのと、私の中では昨今の…

子どものことを子どもにきく

「子どものことを子どもにきく」 著:杉山 亮 息子さんに8年にわたって毎年インタビューをし続けた記録。 4歳のたどたどしい返答から、ちょっと大人びた小学生の言い回しまで、ナチュラルなやり取りが見られて微笑ましい。 初めてのところてんを無言で食べる…

<敵>と呼ばれても

「<敵>と呼ばれても」 著:ジョージ・タケイ 私の好きなブロガーさんが、ミュージカル「アリージャンス〜忠誠〜」の話の流れで紹介しており、バンド・デシネにも興味があったので図書館で注文。 もう少し、時代背景を予習してから読むべきだったかな。 で…