からだの美

からだの美

著:小川洋子

 

 

 

さまざまな「からだ」についてのエッセイ集。

一編が短くて、1時間もかからずに読破。

あっさりとしつつ、でも一つひとつにしっとりした重さがあるエッセイだった。

 

私にとって思い入れのある人物もたくさん登場。

レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンを演じる福井晶一さん。

白鳥の湖』と踊るウリヤーナ・ロパートキナ

 

本を読みながら、まるで目の前で舞台が繰り広げられているかのような感覚だった。

 

 

そして最後のエッセイで響いた一節があったので引用。

 

いつしか親になり、両親が逝き、孫が生まれ、ふと気づくと次に死ぬのは自分の番になっていた。順番は大切だ。宇宙の摂理だ。ゆったりと宇宙の波に身を任せておけばいい。そうする以外に方法もない。

 

 

まだ小川さんの年齢まで達していないから、当てはまらないことも多いけれど、いつか心の支えになりそうだな、と思った言葉。

 

怖さや不安があっても、宇宙の摂理と言われれば仕方ない。