2023-01-01から1年間の記事一覧

たゆたえども沈まず

たゆたえども沈まず 著:原田マハ 久々に原田さんの本。 ゴッホとその弟テオ、そして実在した日本人画商・林忠正と架空の人物・加納重吉の物語。 大筋がフィクションながらも、背景は歴史に忠実に基づいているため、まるで「事実」のように読めるし、ゴッホ…

プリンセスメゾン

プリンセスメゾン 著:池辺 葵 前からアプリでチラッと読んだことのあった漫画。 完結していたので、改めてじっくり読んでみた。 池辺さんの漫画は独特の空気が流れていて、読むと違う世界に引き込まれるよう。 セリフは極端に少ないし、背景の描き込みもそ…

ドリームーNASAを支えた名もなき計算手たちー

ドリームーNASAを支えた名もなき計算手たちー 著:マーゴット・リー・シェタリー NASAを、そしてアポロ計画を支えた「黒人女性計算手」たちの物語。 主人公はひとりではなく、当時の人種差別や女性軽視を戦った多くの女性がメイン。 とにかく読むのに時間が…

できない相談

できない相談 著:森 絵都 日常の何でもない、でもちょっと許せないことを集めたショートショート集。 リアルすぎて、森さんの実体験では?と思ってしまう。 ほぼ2〜3ページで完結するような短い話の中に、教訓も感動も何もないけれど、クスッと笑えるものが…

べつに怒ってない

べつに怒ってない 著:武田砂鉄 私の好きなラジオのパーソナリティーであり、ライターの武田砂鉄さんの本。 割とラジオを欠かさず聞いているのに、本を読んだことがなかった、と思って手に取ってみた。 武田さんのラジオが心地いいのは、元編集者だからか、…

からだの美

からだの美 著:小川洋子 さまざまな「からだ」についてのエッセイ集。 一編が短くて、1時間もかからずに読破。 あっさりとしつつ、でも一つひとつにしっとりした重さがあるエッセイだった。 私にとって思い入れのある人物もたくさん登場。 『レ・ミゼラブル…

人間以前

人間以前 フィリップ・K・ディック 気になっていた短編集2冊目。 今回の本はSFというより、モダン・ファンタジーの部類が多いようだった(そんなジャンルがあるとは、初めて知った)。 SFとは雰囲気が全く異なるので戸惑いがあったが、好きな作品もあった。…

バレエ伴奏者の歴史ー19世紀パリ・オペラ座と現代、舞台裏で働く人々ー

バレエ伴奏者の歴史ー19世紀パリ・オペラ座と現代、舞台裏で働く人々ー 著:永井玉藻 発売されてから読みたいと思っていた本! 私が長年通っていたバレエ教室は幸運なことに、幼児のクラスから生ピアノのレッスンだったため、バレエピアニストさんは身近な存…

トータル・リコール

トータル・リコール 著:フィリップ・K・ディック 久々のSF小説。 案外、SFって好きなのかも、と思う今日この頃。 想像上の国や機械や生物が、どれだけ自然に出てくるかという部分も興味深い。 今回初めてSFの短編集を読んだけれども、短い中でもそれぞれの…

ブルックリン・フォーリーズ

ブルックリン・フォーリーズ 著:ポール・オースター 久々のポール・オースター。 人生を諦めかけた60歳の主人公が、さまざまな人との出会いによって環境や考え方に変化が生まれていくストーリー。 ポール・オースターは純文学的な扱いをされるけれど、この…

トラウマ文学館

トラウマ文学館 編:頭木弘樹 以前「絶望図書館」を読んで、自分では選ばない作品に出会えたので、同じ編者のこちらの本を。 最初に収録されている「はじめての家族旅行」は、こんな漫画が昔の『りぼん』に載っていたのか!?という衝撃。 子どもの頃にこれ…

あつあつを召し上がれ

あつあつを召し上がれ 著:小川 糸 食事をめぐる短編集。 同じ作者だし、「食事」というテーマがあるし、似たような作品が多いのかな?と思った私が甘かった。 7作品ともテイストが全然違って、アンソロジーを読んでいる気分だった。 でも全体を通して、食事…

掌に眠る舞台

掌に眠る舞台 著:小川洋子 大好きな小川洋子さんの本を久々に。 装丁も美しくて、読む前からワクワクしてしまった。 一番好きだったのは装丁のモチーフにもなっている「指紋のついた羽」。 バレエの「ラ・シルフィード」がテーマで、俗世と想像の世界の間を…

絶望図書館

絶望図書館 編:頭木弘樹 絶望した気持ちに寄り添うアンソロジー。 絶望したときは希望のある物語ではなく、さらに絶望するような物語を読む、という荒療治(笑) でも悲しいときは泣いた方がスッキリするのと同様か。 <収録作品> 第1閲覧室「人がこわい…

アーモンド

アーモンド 著:ソン・ウォンピョン 以前から気になっていたものの、なかなか手にとる機会がなかった1冊。 今でも覚えているのは、一人で代官山のTSUTAYAをウロウロしていた時に面だしされていたこと。 独特な雰囲気を持つ表紙だったのと、私の中では昨今の…

子どものことを子どもにきく

「子どものことを子どもにきく」 著:杉山 亮 息子さんに8年にわたって毎年インタビューをし続けた記録。 4歳のたどたどしい返答から、ちょっと大人びた小学生の言い回しまで、ナチュラルなやり取りが見られて微笑ましい。 初めてのところてんを無言で食べる…

<敵>と呼ばれても

「<敵>と呼ばれても」 著:ジョージ・タケイ 私の好きなブロガーさんが、ミュージカル「アリージャンス〜忠誠〜」の話の流れで紹介しており、バンド・デシネにも興味があったので図書館で注文。 もう少し、時代背景を予習してから読むべきだったかな。 で…