著:杉山 亮
息子さんに8年にわたって毎年インタビューをし続けた記録。
4歳のたどたどしい返答から、ちょっと大人びた小学生の言い回しまで、ナチュラルなやり取りが見られて微笑ましい。
初めてのところてんを無言で食べる様子や、ちょっと気まずい質問を不器用に誤魔化す様子など、自分の息子でもこうなりそうだな〜と思いながら読んだ。
最後に自分の子どもへのインタビューのススメが書いてあるが、確かに一理ある。
子どもの思考回路は独特で、大人よりよっぽどシナプスの繋がり方が柔軟なのでは、と感じることがある。
関連がなさそうに見えて、深掘りするとちゃんと関連があったり。
これまでの短い人生の経験から一所懸命考えてみたり。
それは成長すると同時に「当たり前」を知って失われていくものだと思う。
本の中にも、「子どもの語彙力が増えていくと、同時に失っていくものもある」と書いてあり、同感だな、と感じた。
一つ、本の中で目から鱗だった視点。
子どもに「教科書がどんなだったら楽しい?」という質問をしたら、「雑誌みたいに毎月配られたらいい。今月は何のお話が載ってるかなって楽しみだから」とのこと。
それは本当に楽しそう。国語の教科書がそうだったらいいのに。学年の最初に配られて、とりあえず全部目を通してしまう派だった私は、1年間新鮮味なく国語の授業を受けていた気がする。
(しかもたまに載っている内容も扱わなかったりする)
コストはかかるけど、そんな教科書があってもいいのにな。