著:マーゴット・リー・シェタリー
NASAを、そしてアポロ計画を支えた「黒人女性計算手」たちの物語。
主人公はひとりではなく、当時の人種差別や女性軽視を戦った多くの女性がメイン。
とにかく読むのに時間がかかった!
普通の小説というよりドキュメンタリーの部類に入る書き方のため、時代背景の説明や人物名・施設名・プロジェクト名が膨大で、、、
でもそこを100%読みきれなくても、この物語の真髄はちゃんと感じることができた。
戦争の「おかげで」女性に職業が与えられたこと。
戦争の「おかげで」黒人にも職業が与えたれたこと。
そして戦争後、人種差別と、そして女性軽視とに対して
仕事の内容を通して戦ったこと。
これは戦時中〜戦後の話で、黒人の人種差別に関わる話だけれど、一歩世界に出れば自分だって黄色人種という根深い差別に晒される。
その時に、文中にあった以下のことを覚えておきたい。
だが、おそらく、何より重要なのは、キャサリン・ジョンソンの物語が、黒人であれ白人であれ、その功績を見逃されてきたすべての女性の物語の入り口となりうるということだ。
NASAの成功に貢献した、非凡な、だが、ごく普通の女性たちの功績を余すところなく知ることによって、彼女たちの能力は例外ではなく一般原則なのだと、私たちは認識を改められるはずだ。こうした女性たちの目標は、差異によって突出することではなく、能力によって溶け込むことだった。上司である男性たちや自分たちが宇宙へ送り込んだ男性たちと同じように、自分の仕事をしていただけなのだ。それがそれほど価値があることなのかを、キャサリンはよく分かっていたのだと私は思う。